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 日本国内のエイズの流行に関しては、厚生労働省のエイズ動向委員会が年4回、会合を開き、全国からの報告を3カ月ごとに集約しています。また、年間の新規HIV感染者報告数、エイズ患者報告数などは、動向委員会の委員長コメントとともに毎年、『発生動向年報』として発表されています。これらの報告はインターネット上でも、API-Net(エイズ予防情報ネット)=厚生労働省の委託を受け、公益財団法人エイズ予防財団が運営している啓発情報サイト=で見ることができます。
 http://api-net.jfap.or.jp/status/index.html

 動向委員会の年報は、おおむね2月に前年の速報値が発表され、5月に確定値がまとまります。『発生動向年報』に載っているのは確定値で、平成14年(2002年)から平成27年(2015年)までの推移は以下のようになっています。
(注)各年の数字は左から、合計報告数(感染者報告数、患者報告数)、合計報告数に占める患者報告数の割合です。


新規HIV感染者・エイズ患者年間報告数
感染者 患者 報告全体に占める
エイズ患者の割合
14年 922 ( 614, 308 ) 33.4%
15年 976 ( 640, 336 ) 34.4%
16年 1165 ( 780, 385 ) 33.0%
17年 1199 ( 832, 367 ) 30.6%
18年 1358 ( 952, 406 ) 29.9%
19年 1500 ( 1082, 418 ) 27.9%
20年 1557 ( 1126, 431 ) 27.7%
21年 1452 ( 1021, 431 ) 29.7%
22年 1544 ( 1075, 469 ) 30.4%
23年 1529 ( 1056, 473 ) 30.9%
24年 1449 ( 1002, 447 ) 30.8%
25年 1590 ( 1106, 484 ) 30.4%
26年 1546 ( 1091, 455 ) 29.4%
27年 1434 ( 1006, 428 ) 29.8%


 数字はあくまで、その年に報告された件数であり、実際にHIV感染が毎年、何件くらいあったのかを示すものではありません。この点には注意しておく必要がありますが、一応、報告ベースで大きな流れを見ると、年間の患者感染者報告の合計は2004年に1000件の大台を超え、わずか3年後の2007年には1500件レベルに達し・・・というかたちで急増傾向を示しています。ただし、08年の1557件をピークにして報告は横ばい傾向に転じました。実際の感染も増加傾向から横ばい、ないしは微減へと転じたのかどうか。これは分かりません。報告データからの分析を試みるにしても、もう少し報告の推移を見ていく必要がありそうです。

 かりに実際に感染が拡大から横ばいの傾向に転じているとしても、それは「年間1500件程度の新規報告」があるということですから、引き続き予防対策に力を入れることは大切です。もちろん、日本の人口規模を考えると新規感染者・患者報告数が年間1500件程度にとどまっているということは、国際的な観点からすれば、流行が極めて低く抑えられているということでもあるのですが、それだけに逆に、対策の継続が困難になっているという側面もあります。「エイズ対策はもう、ほどほどでいいんじゃないの」といった雰囲気が広がり、対策に関する社会的な支援の意識が薄れていく危惧もあるからです。

     ◇

 平成27年動向年報では、岩本愛吉委員長が28年5月25日に厚生労働省で記者会見を行った際に以下のような委員長コメントを発表しています。

1.新規HIV感染者報告数及び新規AIDS患者報告数は平成26年に引き続き減少した。女性の新規HIV感染者報告数は過去3年間、46件、50件、58件と数は少ないが増加傾向を示した。

2.新規HIV感染者及び新規AIDS患者の感染経路としては、性的接触によるものが8割以上で、男性同性間性的接触によるものが多い。HIV感染症は予防が可能な感染症である。HIVに感染していない者においては、適切な予防策をとること、HIVに感染した者においては、まずは自分の感染を知ることが、今後の感染拡大を防ぐために重要となる。国民の皆様には、保健所の無料・匿名での相談や検査の機会を積極的に利用頂きたい。

3.献血における10万件当たりの陽性者件数は昨年に比して減少した。血液製剤によるHIV感染を防ぐため、HIV感染症が疑われる場合、国民の皆様には保健所等での無料・匿名検査を積極的に利用頂きたい。

4.新規HIV感染者・AIDS患者報告数に占めるAIDS患者報告数の割合は、約3割のまま推移している。早期発見は個人においては早期治療、社会においては感染の拡大防止に結びつく。自治体におかれては、エイズ予防指針を踏まえ、引き続き利便性に配慮した検査相談体制を推進していただきたい。

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